もし世の中イオンだけになったら?イトーヨーカ堂の不振

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イトーヨーカドーが不調らしい。
現在、百貨店も不調だが、全体的に見れば

 

「日本の良いものを売ってきた企業」が不調になっている。

 

これを見て

「時代の流れだからしょうがない」

と言って良いのだろうか。

 

最近はファストファッションが台頭してきた。
ただそれが本当に品質がいいのかといえば、疑問がある。

 

「安かろう、悪かろう」はある程度本質である。
企業が利益を目的にする限り、値段と比例する要素はある。

 

つまり、安い商品を扱う企業が増えるということはそれほどでもない品質の商品が溢れるということ。
これは非常に危機的である。

 

例えば、商品の品質は様々な場所に波及する。
これは安全性や耐久性以外にも、人間の目利きなどにもである。

 

若い職人はまず良い物とは何かを叩き込まれる。
そのために師匠や師範のわざを盗むのだが、箸職人なら良い箸とは何か、茶碗であれば良い茶碗とは何かを「実際に使って」それを使って知るのである。

 

作る側は使う側にもなり、良いものは何かを知る。

 

これは職人以外でも一般人でも似ている。

良いものを使うと「これは良い」と誰でも思う。
そして、それに興味を持ったり、勉強をしたり、ものに対するこだわりが生まれてくる。

 

人は発見から興味が生まれる。

 

だが、それが無くなると心配している。

 

つまり、それなりの品を使って、それなりのものを作るという世界が日常的になる。
良いものを探究しよう、良いものを作ろう、これはなんて良いものなんだ、という発見や興味が失われてしまう。

 

イトーヨーカドーは品が良い

 

うちの子供の頃はイトーヨーカドーは品が良かった。
もちろん今も良い。

 

最近行くと思うのは「年配層が多い」こと。
つまり、若い人が買えないやや高価なものが多い。

 

食品にしてもそうである。
イトーヨーカドーは品が良いが若い人にとっては高く感じるだろう。

 

肉やステーキなんてまさにそうであり、イトーヨーカドーは国産の良い和牛が多い。
品揃えも良いし、品質も良いが、やや高めである。

 

イオンは安く、若い人が多い。
それは悪いことではない。

 

 

うちが若い頃に美味しい神戸牛を食べた機会があった。
そのとき「和牛ってこれほど美味しいのか」と興味を持った。

 

こういった感動や興味も安いスーパーや安い製品が台頭した世界では、すでに台頭しているが、物が消費としてのみ消化されていくことになると思う。

 

イトーヨーカドーは専門店ではないが、品は良かった。
これはイトーヨーカドーとイオンの比較だけではなく、様々な業界で起きている。

100均や格安スーパーなど...

 

 

もう一度中間層を復活させていかなければ、100均などの格安店舗と一部の超高級層向けの店舗に分かれる世界になる。
その時、所得以外にも様々な要素で格差が生まれるだろう。